天体写真

久しぶりの写真撮影

それは7月28日のこと。
もう寝ようかと思い事務所から外に出てみると
そこには久しぶりの星空が広がっていました。
時計を見ると29日の午前3時。

ええっ、どうしろっていうのこの星空は。
ちょっぴり天の川も見えている。
しばしコーヒーを飲みながら撮影するか観望するか悩む。
薄明かりまで余裕がないので観望することにしました。

7月29日の夕方に今日もいい星空に出会えることを期待して
撮影機材のセットアップにとりかかりました。
久しぶりの撮影なのでレデューサーを取り付けた場合の
カメラ接続はどうだったのか思い出せない。
レデューサーを付けての撮影自体あまりしなかったので余計に分からない。
直ぐに暗くなったので、まずはピント合せから。
あれれ、一杯に伸ばしてもピントが出ません。
確かドローチューブを一杯に引っ込めた所から少し出したぐらいだったはず。
たぶんカメラの接続が違っているのでしょう。
カメラ~RDまでの距離が長いと焦点距離が短くなるのですが
ここの接続管の長さがちがっているみたい。
バリリングを1つ取り付けて再度ピントあわせでやっとOKとなりました。

タカハシの接続フローシートではRDに付けるバリリングの数で焦点距離が
書かれていますが、これはあくまでも目安。
私のはカメラ+AOダイレクト接続なので。
RDからCCD受光面までの基準距離が書かれていると助かりますね。

Ops1

鏡筒:TOA-150 カメラ:ST-4000XCM(-5℃) AO8ガイド
20minx3枚 ダーク引きのみ

これは、クレセントネピュラ。
とても淡いのですね。
最初に写った時はノイズがとても多くびっくりしていたのですが
実はノイズではなくて星だったのです。

ワンショットカラーカメラはCCD面のカラーフィルタの構成が
赤-緑-緑-青となっているので、微光星は緑の点とかになって表れます。
これらの色を押える処理をしてなんとか見られる感じになりました。
処理をする程にディティールが崩れるのは仕方ありません。
星の形も少しいびつになりましたが、まあ気にしません。

M33ccdopsstcut

鏡筒:TOA-150 カメラ:ST-4000XCM(-15℃) AO8ガイド
20minx1枚 ダーク引きのみ

これはM33銀河。
途中でカメラを水冷にしました。
薄明かりまで1時間だったので3枚撮影しましたが
車の通過や雲の影響で2枚は没となりました。

残り1枚で処理したのですが、これも途中でガイド星を失い
再度ガイドさせましたので星が少し横に伸びています。
ただこの時の1枚は撮影開始時は空が澄んでいましたので
1枚でも良く映りました。

撮影や望遠鏡のコントロールは全て屋内から無線で行っていますので
空の監視や自動導入の精度は、望遠鏡に取り付けた蓄光式のカメラで見ています。
M33は明るい対象なので、このビデオカメラ(WAT120)でも存在がよくわかります。
2秒(64フレーム蓄光)で見ていました。
望遠鏡を動かす時は0.5秒以下にして、撮影対象の近くの明るい星を導入し
中心に導入されているのを確認してから撮影対象に移動しています。


久しぶりの撮影で沢山ミスをしてしましました。
・外部リモートカメラの結線忘れ
 ガイドチップに星が全く現れなかったのは当然です。
 機材を撤収するまで気付きませんでした。 
 仕方なくカメラ内部のガイドチップでガイドしました。
 (外部リモートカメラの方がノイズが少なくて良く写るんです。)
・冷却装置に電源が入っていなかった。
 これは後付けした追加ペルチェのことで、思いのほか冷えなかったのですが
 撤収時に気付いて電源を入れるとグンと温度が下がりました。
 もう遅い!orz
 外は30度ぐらいありましたしね。
 冷却フェチとしては非常に痛いことです。
・望遠鏡(赤道儀との関係)とロテーター(カメラ回転装置)との位置がずれていた。
 これではいくらカメラを回転させても予定の星がガイドチップに乗りませんね。

あとは自宅ということで家の壁が邪魔だったり、自動車が通過したりと
撮影対象にとても制限があります。
いつかはドームを建てたいと思っています。
宝くじ買ったしね。(笑)

今回撮影に使用した鏡筒TOA150ですが良く色がでます。
波長ごとのピントがとても良く合っているからでしょうね。
メンテナンスいらないし、とても楽です。
澄んだ空へなら別ですが口径15cmあるといいです。
ガイドも重たい赤道儀を動かさないAO(光学補償装置)は最高です。

A-GT基盤を流用したモータードライブも、とても良いです。
今度詳しい昨日について触れたいと思いますが、少しだけGOODな所を。

自動導入前のアライメントについて。
・シンク:単純に同期です。
・アライン:皆さんご存知のアライメント。
・キャリブレーションスター:赤道儀と望遠鏡との平行度などの誤差を補償。
このキャリブスターを行うとものの見事に中心へ導入してくれます。
その他にも沢山の機械的誤差を補償する機能やパークに似た便利な機能があります。

私と同じ事を考える人が海外に居ました。
すでに製品化されていますので紹介します。

http://www.telefonica.net/web2/amalthea/NexSXD/NexSXD_eng.htm

Sphinx-SXD/SXW/NewATLUX などをセレストロンのハンドコントローラーから
操作できるものでCGE-Proの機能が使えるようです。
よってPEC機能もあります。
後は、A-GT基盤のように負荷変動でモーターの電圧や電流を上下してくれるかが
わかりませんが、よさそうです。


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ST-4000XCMの超簡単画像処理

ワンショットカラーで撮影しfitファイルなどをMaximDLなどでカラー化すると

銀河などで色が出にくいとかショボイ画像になるとか

さらには、モノクロ画像をカラー風にした様な画像になったりとか

経験あると思います。

fitファイル上ではよく映っているのに何故でしょう?

私もわかりません (汗)

すべては画像処理の未熟さにあるのでしょう。 orz

私は訳もわからずにいじくり回して、たまたま良くなった状態で喜んでいます。

しかしこれでは時間が掛かった割りに同じ事が2度と出来ないという

感にたよった画像処理というには程遠い事となっています。

で、以前からやっている方法を紹介します。

私のような画像処理の理論立てを嫌いながらも(実は分からない)

人の写真の様に銀河の中に点在するカラフルな

写真を早く見たいという人にお勧めと思います。

あくまでも我流なので、ご意見いただければ助かります。

2

左は単純にMaximDLでカラー化した物です。

まるでモノクロをカラー風にした様な画像になっています。

真ん中の画像は別の方法でカラー化し

荒れていながらも色が良く出ていると思います。

一番右のは真ん中の画像を4ショット分用意し加算平均したものです。

能書きはこの辺にしといて、以下に手順を述べます。

1.撮影したfit画像 複数枚をMaximDLでダーク引きを行う。

2.CCDOPSにて画像を取り込む。

3.ワンショットカラープロセスをDDPで行う。

4.オフセット無し、カラーバランスはグリーンがデフォルトより少しマゼンダ寄り。

     これは、お好みで。

5.CCDOPSでワンショットカラー化するとファイル拡張子がfitからtifに変わる。

6.取り込んだ枚数分、同様にカラー化ボタンでカラ化し保存する。

7.これをMaximDLに取り込んでスタックして終了。

Maximでダーク引きとスタックを行ったのは、簡単で正確だから。

弊害としてはとても明るい星には黒い縁の様なものが出来ます。

ま、これは鑑賞用ということで、なんとでも出来る気がします。

やり方は分かりませんが....

ワンショットカラーでは3色分解して合成すると

僅かながら良い場合があります。

特にフラット補正が必要な場合などは上坂さんのオートストレッチが有効かと。

追記

MaximDLでスタックした後にCCDOPSではカラー化してもモノクロとなっていました。

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カラー冷却CCDについて

カラー冷却CCDについて思う事について。

この画像は2年前に撮ったものです。

撮影条件:ST-4000XCM+キャノンFES18-55ズームレンズ(30mmF4.2ぐらい)

ノータッチ30分露出、フラットなし、ダークなし。

このレンズでは面積でいう半分以上に減光が起こっていましたが

処理で超適当にごまかしていますし大きな画像では相当汚いのですが

感度を見る目的のみで処理してます。

Hαの写りはこんなもんです。

30mmf42_6

私の出した独断と偏見によるカラー冷却CCDの結論としては

あくまでもデジ一との比較です。

もちろんモノクロとは勝負になりません。

(1)感度について

Hα:IR改造デジカメと同等以下

SⅡ:良く写る

O3:良く写る様な気がする。

(2)対光害特性

カラー冷却:薄明かりでもM8やM27などはそれなりに露出できて写る。

デジ一:すぐに飽和して薄明かりではお手上げ。露出短いと写らないし。

(3)適した対象

カラー冷却:銀河(発色に於いて)

デジ一:全般みたい

これは私の画像処理技術の未熟さが原因の様な気がする。

(4)カラーバランス

カラー冷却:露出が十分でない場合は大きく崩れる。

       銀河はなぜか崩れにくい。

デジ一:非常に良い(カメラ付属ソフトで現像の場合)

(5)拡大率

カラー冷却:ピクセル等倍OK

デジ一:50%縮小表示でOK

もちろん淡い部分もデジ一での画像処理技術に長けた方なら不満はないと思いますが

モノクロ冷却CCDは欲しくなりますね。

(↑結構この言葉に集約されていたりして... ;汗)

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ゴールデンウイークで...

昼間から月が見えるような澄んだ青い空。

早速、撮影の準備に取りかかる。

今日は絶対に良い星空に巡り逢いたい。

さて何を撮影しようかと星図ソフトと時間を睨みながらの撮影計画。

自宅では廻りの障害の為に撮影対象が限られます。

で、いつものパターンで時間になるとだんだん星が見えなくなっています。

かろうじて北斗七星が見える程度に...._| ̄|o

ダルダルの気持ちでピントも前回のままで撮影。

後でピントチェックをすると30ミクロン程度ずれていました。

どうでもいいと思いながらも結局、朝まで粘ってしまいました。

そしてダメダメ画像の中でもマシなのがこの2枚でした。 後は画像になりません。

M643_2

。 15分x4枚 TOA150 F7.3 ST-4000XCM AOF(AO8)

うーん、色で悩みます...が... 悩むほどの画像でもないですしね。

Photo

15分x2枚 TOA150 F7.3 ST4000XCM AOF(AO8)

元画像が相当酷いのですが敢えて強調していますので薄目で見て下さい。

そうすると荒れた画像がまともに見えます (^_^;)

暗い空でなくてもいいから沢山星が出て欲しいと願うのでした。

今まで自宅で素晴らしい星空に出会えたのは10年で2回ほどです。

多分皆さんはそんな素晴らしい星空の下で撮影されているのでしょう

子供の頃は、普通に天の川がよく見えたのですが....

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お好みの色はどれ?M51編

ダークを取り直して再処理してみました。

下の写真で左端は前回処理した(ダークの違うものを引いた)ものです。

真ん中はダークの合ったもので処理後、詳細を見やすくしました。

右端は上坂さんのオートストレッチで処理後、真ん中の写真と同様に詳細を見やすくしました。

たしかに処理後の画像はディテールは見やすくはなりましたが、初めて天体写真を見る人にどれが好みか聞いてみたいです。

ぱっと見は処理前の方が綺麗に感じています。これが私が初心者でもある証なのです。

輝度差が有る事でのペーっとした感じが和らいでいる風にも感じています。

M51_2

色合いって難しいですね。

実際に目で色が確認できるものではないので正解は出し辛いとおもいますが、多くの天体写真を見て”これなんだろうなあ”なんてことで正解らしきものをイメージしています。

それと好みにも左右されますね。この人の写真は美しいと感じたものをイメージしちゃいます。

赤が強いとか青が強いとか皆さんはどうしているのか基準らしき物があるのだろうなぁ。

いくらRGBを合わせても露出が短いと全体が緑色になるし...RBGを合わせたものを正解とした方が良いのかなぁ。

デジ一はそうなりにくいなあ。そのぶん色も薄いけど。

まあ、あまり深く考えずに自分の好みでも良い事にしよう。

あくまでも私は自分が楽しむ為だけという趣旨なので。

しかし、意見も聞いてみたい所ではあります。

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久しぶりの撮影

先週の金曜日の夜に撮影しました。

空の状態は北極星がなんとか見える程度でしたが、最近は星すらまともに出ていなかったのとTOA150の機材テスト(ST-4000XCM+AO8とロボフォーカス互換のピント)もあったので撮影を強行しました。

一番まいったのは極軸が極端にずれていた事でした。 恐らく家内が庭の水やりに体をぶつけたのでしょう。

いつも通りのスターブックを使った自己流極軸あわせをしようとすると東西方向の調整つまみ可動範囲をはるかに超えていました。

仕方ないので全て搭載状態のままピラー脚の足をよっこらしょっと回しました。

当然ピラー脚の鉛直は出ていませんので何回あわせても極軸は高精度には合いません。

とはいってもある程度は合っていないとだめですが後はAO8お願いするしかなさそうです。

また今回は銀河のクローズアップを狙うと言う事でレデューサーを外したりしてピントは延長筒を2個繋いでやっと合ったりして撮影まで相当時間がかかりました。おおよそのピント位置は分かったので次回からは早く撮影できるはずです。

M511

撮影中の画像です。FocusMaxで3回ほどピント合わせをしましたが最初は大まかなピント位置をつかむためにフォーカサーのステップサイズを大きく取り、序々に小さくしました。

ピントが合うとその位置に赤丸表示となるのですがシーイングも悪いせいもあってオートフォーカスは完了しませんでした。

仕方がないのでVカーブの交点付近をピント位置とみなしセットしました。

このフォーカサーは以前のテストでOUT,INを何回やっても1/100mm精度の計測ではバックラッシュが無くて誤差が分からなかったので一応信用することにしました。

オートガイドイメージの下少し右寄りがガイド星となっています。

AOコントロールの中の星像は中心には寄らず現在の位置を保持したままになります。こんなノイズだらけの状態でもきっちりAOは補正してくれるのでありがたいです。空の状態が良いとオートガイドイメージの背景は真黒となります。こんな状態だといつガイドエラーが起こっても仕方がないので目が離せません。

M51test1

15分6枚のM51です。クリックでピクセル等倍となりますダークファイルは撮れませんでしたので温度が違うもので引いています。5℃違うので引きすぎとなって黒いポツポツが見えます。

M2700xdopsc_2

こちらはM27の2枚合成です。クリックでピクセル当倍となります。

これはダークを取ったもので引けました。

2枚目は朝の5時45分となっており空は明るくなっていましたがなんとか使えました。

こんな明るくなってはデジ一では真っ白になって撮れないのですがワンショットカラーと言えども、CCD前面に張り付いているフィルター特性の違いなのか、これがデジ一との大きく違う所と思います。 またピクセル等倍にしても見られる所も大きな違いだと感じています。

M101001dc

これは1枚のみのM101です。ダークは違う物で合っていません。

さすがにピクセル等倍では見苦しくクリックするとピクセル0.5xとなります。

1枚だと見苦しい感じとなりますしこの方向のシーイングは最悪でしたがせっかく写っているのでUPしました。

Moon005c_2

最後にピントが合っているのかわからないので月と撮ってみました。うーん微妙です。

クリックでピクセル等倍です。

この時は朝の6時を過ぎていましたが明るさを調整すると見れる画像となりました。

シャープネスを強めに掛けています。眼視ではもっとクッキリと見えます。

この月の写真を見る限りではSE250N(白ドブ)も引けをとっていない感じでした。恐るべしコストパーフォーマンス!

これらの画像は特別な画像処理はしていません。

温度の違うダーク引きはMaximDLでは引けないのでCCDソフトで行いました。

またダーク引きした画像をCCDSOFTでカラー変換した後、MaximDLで加算平均し最後にキャノンのデジタルフォトプロフェッショナルで若干明るさなどを調整しました。

なぜDDSOFTで先にカラー変換したかと言うとMaximDLで加算平均を先に行うとモノクロ画像となってしまう為です。

今回はTOA150で撮りましたがF7.3という事を忘れて露出時間を決めていました。

F値からくる暗さを全く感じず終わってみてF4.8の白ドブと同じだなあという印象です。

空の状態が良い日の撮影が楽しみとなりました。

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